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作文では、半分以上書きながら、内容に納得がいかず、涙が出るほど情けない思いで消しゴムを動かした。
戦争のような三日間が終わった。
ほとんど一夜漬けのような状態で臨んだ時事問題と、まだまだ安定した力を出せない作文。
実力以上のものは一切出なかった。
二日後、待つ身はつらい。
合格は難しいと感じながらも、電話が鳴るのを待ち続けた。
夜も遅くなり、もう結果は出たと分かっても、心のどこかに捨てきれない未練が残った。
そして今日。
昨日に続き、私が待ち望む知らせは来ない。
自分の力不足とは分かっていても、力を注いだことが認められないのはつらく、悔しい。
この先もこんな状態が続くのかと不安になる。
欄からはみ出すくらい、文字がぎっしり詰まったエントリーシートだけが手元に残った。
会社への思いを必死でつづり、何日もかけてやっとの思いで完成させた。
しかし、もうその会社のために使うことはない。
「結果は甘んじて受けよ。
そして出直せばいい」。
N先生の言葉が聞こえる。
そう、そうなのだ。
この結果を受け止め、次の一歩を踏み出そう。
落ち込もうが奮起しようが、時はたつ。
黒星続きのスタートも自分らしい。
挑戦はまだ始まったばかり。
F君のチャレンジは実を結び、記者になった。
その数年後卒業のE子さんは、なおも厳しいシューカツ戦線の状況をこんな風に伝えている。
その日、私は会社の内定式に出席するため、黒いリクルートスーツで電車に飛び乗った。
が、何か足がおかしい。
虫でもついているのかなと思い、何度も目をやったが、特に何もなかった。
(もしかして)嫌な予感がした。
電車を降りて靴を脱いでみる。
案の定、ストッキングがかかとの部分から破れ、伝線が走りかけていた。
さっきから足がムズムズしていたのは、この伝線のせいだったのだ。
幸いにもこの日は余裕を持って行動していたので、駅で新しいストッキングを買い、履き替えてから式に出席した。
約四時間かかった式も無事終了。
私はゼミに出席するために、その足で学校へ向かった。
が、その道中、朝と同じ違和感を足に覚えた。
(また?)ふたたび嫌な予感。
足に目をやる。
やっぱり……。
さっき買ったばかりだというのに、またもストッキングが破れていた。
さすがに一日に二回もストッキングを買う気になれず、少し気にはなったが、そのまま履き続けることにした。
もちろんこれ以上、伝線が入らないように注意しながら。
(おかしいなぁ)今までこのようなことはなかったので、どうも納得がいかない。
しかし、家に帰って靴を脱いだとき、その原因がはっきりした。
靴がポロポロになっていたのだ。
そういえば、昨年の十二月に就職活動を始めてから、ずっとこの靴を履き続けてきた。
行き慣れない場所を歩き回り、新幹線に乗って東京や広島に行ったこともあった。
まさに私は、この靴を履きつぶしていた。
破れた革にストッキングが引っかかっていたのが、伝線の原因だった。
ポロポロになった靴。
だが、私はなんだかうれしかった。
(社会人になっても頑張れそう)ボロポロの靴を見ていると、そんな予感がした。
話が前後するが、E子さんはアルバイト探しでも苦労した。
何度もはねつけられながら、やっとのことで働き口を見つけた。
いかにもおとなしい感じのする彼女の、どこにそれだ近所のパン屋でアルバイトの面接を受けていたときのことだった。
店長さんは私にそう言い残して、面接を終えた。
しかし、考えてみれば怒れないのも当然だ。
事実、私は声が小さかったのだ。
ならばもっとハキハキ話せるように。
私はさらにアルバイトの面接を受けては、自分の糧にしていった。
面接直前、成功のシミュレーションを頭に思い描く。
自分なりに気持ちを高めて挑むのだが、やはり本番になると頭は真っ白・声も振り絞るようにして出していた。
十社ほど回った。
これほど決まらないのも逆にすごかった。
嫌になった。
現状以上に自分に嫌気がさした。
「非常に申し訳ないんやけど、ウチが求めてるのは、もっと元気よく、ハキハキとしゃべれる子なんです」。
突然の発言に少し動揺したが、不思議に怒りは込み上げて来なけの根性とパワーが秘められているのだろう、と感心した。
E子さんのシューカツ番外編。
秋になった。
もう就職活動の時期だ。
アルバイトなどしている時期ではないと思った。
しかし、ここで逃げてはいけない。
ここを乗り越えないと私は変われない、人並みの土俵で勝負出来ないそしてやっと、アルバイト採用、奇跡に思えた。
(少し変われたのかな)私のなかに少しばかり自信が生まれた。
しかし、本当のところ、自信以上に不安の方が強い。
自分に自信を持つ方が怖いのだ.最近ふと気づくと、自分を追い詰めていることがよくある。
うまくいかないことは、すべて自分に原因があるのではないかと考えてしまう。
もちろん、自分を省みることは重要だ。
だが、私はいま、そのことで、気持ちが張り詰めてしまっている。
今、私はある目標を掲げている。
それは、「自分を好きになる」ことだ。
もっと自分を好きになれば、もっと自信が持てる。
更に視野も広がる。
そして、心に余裕が出来るのではないか、と思う。
「自分の可能性をせばめてはもったいない」。
これは、私が最近、特に強く感じていることだ。
私は物事が好調に進んでいるときと不調なときの気持ちの波が激しい。
何か言い訳をして「仕方ないことだ」と思い込むことで納得しようとしている自分に気がついた。
学生たちは、就職活動を通じてさまざまな体験をする。
納得のいかないことで、企業から受験の機会を奪われるなど、信じられない事態に出遭って立ち往生してしまう者もいる。
また、勤務地をめぐって親と対立、生き方・考え方の違いに苦しむ人も。
「女性だから」という不条理な理由に衝撃を受け、「女性だけ」の抱える悩みに当惑する二編。
たとえば、今真っ最中の就職活動。
私があるメーカーの会社説明会に予約申し込みをしようとしたときのことだ。
予約開始と同時にパソコンに張りつき、申し込みページを開くと、まだ開始時間から5分しかたっていないのにすべての回線が「満席」と表示されていた。
本当にあこがれていた会社だったので、他の大学の友人に電話したところ、彼の画面上ではまだ「空席あり」となっていることを知った。
なぜだろう。
他の友人にも聞いてみたところ、私と同じ女子大の友人は、私を含め皆「満席」表示が出ていたが、他大学(マンモス私学)の友人は男女問わず、キチンと予約が完了していた。
説明会すら出席出来ないとは.…:。
門前払いでは、手の打ちようがない。
これでは女性差別、もしくは学歴差別といわれても仕方がないのではないか。
私は本当にショックで、途方に暮れてしまった。
大学生活すべてを否定されたようで、負けず嫌いな私の心は怒りと悲しみでいっぱいになった。
しかし、同じ大学の友人と話していて、気づかされたことがあった。
うらやましいほど強い心を持ったその友人は、こう言った。
「そんな学歴とか女やからって差別するよ』そんな会社は、こっちから願い下げにしたらいいやん!」それを聞いて、ハッとした。
私は何を逃げ腰になっていたのか。
私はその会社に可能性をせばめられた、と被害者意識に取りつかれていた。
しかし、次の会社に対し、思いをぶつつけ、更に努力すればよいだけのことだった。
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